【論文要約】フェイシャルケアを中心としたエステティック施術と鍼灸施術併用に対する効果

こちらの論文は、美容鍼灸の効果に関する既存の研究を包括的にレビューしたもので、特に顔面部への施術が肌状態やリフトアップにどのような影響を与えるかに焦点を当てています。以下に、論文の内容をさらに詳細に要約します。

研究の目的

この研究は、美容鍼灸がどのように効果を発揮するかを明らかにするために、過去に発表された研究論文を体系的にレビューし、現状を把握することを目的としています。美容鍼灸は、健康と美容を目的として顔面部や全身に施術される鍼灸の一種であり、最近ではその人気が高まっています。多くの鍼灸施術所で美容鍼灸が提供されており、一般消費者の間でもその認知度が上がっていることから、科学的にその効果を検証することが求められています。

研究方法

研究では、国内外の学術データベースを利用して美容鍼灸に関する論文を検索し、2020年12月31日までに発表された文献を対象にレビューを行いました。組み入れ基準は、美容鍼灸の効果を評価した原著論文であり、除外基準としては、会議録や商業誌に掲載された論文などが含まれます。

主な結果

  • 出版年の傾向: 2007年以降、美容鍼灸に関する論文が増加傾向にあり、特に2018年には出版数がピークに達しています。この傾向は、美容鍼灸に対する関心の高まりと、鍼灸師による施術の普及が影響していると考えられます。
  • 研究デザインと評価方法: 多くの研究が非ランダム化比較試験や前後比較試験を採用しており、評価方法としては主観的評価が最も多く用いられています。具体的には、リフトアップ効果やむくみの改善、肌の色調の変化が報告されていますが、これらの効果は主観的評価に基づくものが多く、科学的なエビデンスとしてはまだ弱い部分があることが指摘されています。
  • 介入方法: 美容鍼灸の介入方法は多岐にわたり、顔面部への施術だけでなく、全身への鍼灸も一般的に行われています。これは、美容鍼灸が単なる美容目的だけでなく、全身の健康を促進する「健美」の理念に基づいていることを示唆しています。

考察と結論

美容鍼灸の効果に関する研究は、2007年以降に急増しているものの、科学的に信頼できるエビデンスを提供するためには、さらに厳密な研究デザインと客観的な評価が必要です。特に、リフトアップや肌の改善効果に関する客観的データが不足しており、今後の研究ではこれらの分野に焦点を当てる必要があります。

この研究は、美容鍼灸の効果を科学的に検証し、その有効性を証明するための基礎的な資料となるものであり、今後の臨床研究の方向性を示すものです。

引用元URL

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/69/1/69_41/_article/-char/ja/

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メディア掲載

はりきゅう整体院 和からだみなおし処 矢上真吾