昨年、家族全員がインフルエンザに感染し、その感染力と症状の厳しさを体感しました。
そして先日、76歳の父がインフルエンザをきっかけに肺炎を併発し、ICUで治療を受ける事態に。
命の危険を感じる瞬間もありましたが、幸い回復し、現在は一般病棟で療養中です。この出来事を通じて、インフルエンザの脅威を深く実感しました。
今回はその経験を踏まえ、インフルエンザについての知識を整理し、効果的な予防策や対応法について考えてみたいと思います。
インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因で起こる感染症で、特に冬に流行しやすい病気です。風邪と似た症状が出ますが、重症化しやすい点で風邪とは異なります。以下に、インフルエンザについて分かりやすく説明します。
インフルエンザの歴史
インフルエンザという言葉の由来は、16世紀のイタリアに遡ります。当時の占星家たちは、周期的に現れるこの病気を星の配置や寒気の影響(influence)によるものと信じ、それがこの名称の起源になったとされています。
インフルエンザは非常に古い歴史を持つ病気で、最古の記録は紀元前412年、ヒポクラテスとリヴィによる記載に遡ります。日本では平安時代に「しはぶき」と呼ばれ、『源氏物語』の夕顔にもその記述が見られます。
科学的にインフルエンザの流行が確認されるようになったのは1900年頃からで、毎年の流行に加えて、数回の世界的大流行(パンデミック)も発生しています。以下は主なパンデミックの例です。
主なパンデミックの歴史
- スペインインフルエンザ(1918年)
世界で約6億人が感染し、約4,000万~5,000万人が死亡したと推定されています。日本では約2,300万人が感染し、約45万人が死亡しました。 - アジアインフルエンザ(1957年)
新型インフルエンザウイルスが発生し、世界中で大流行しました。 - 香港インフルエンザ(1968年)
H3N2型ウイルスによる大流行が起こり、多くの死者が出ました。 - インフルエンザA(H1N1)pdm2009(2009年)
新型H1N1ウイルスによるパンデミックが発生し、世界中で感染が広がりました。
インフルエンザウイルスの起源と感染拡大
インフルエンザウイルスは、もともとシベリアやアラスカ、カナダなど北極圏付近に生息する水鳥や渡り鳥の腸内や気道に存在していました。これらの鳥が放出する糞にはウイルスが含まれ、水辺に広がったウイルスは他の水鳥や渡り鳥に感染します。
その後、ウイルスは家禽や豚などの家畜にも感染を広げ、動物間で変異を繰り返します。この過程で人間に感染しやすいウイルスへと変化し、インフルエンザの流行を引き起こします。
インフルエンザの構造
インフルエンザウイルスは直径約100nmのほぼ球形をしたウイルスです。その内部には、ウイルスの遺伝情報を持つRNAと、それを保護するたんぱく質があります。この内部のたんぱく質の種類によって、A型、B型、C型の3種類に分類されます。
A型とB型の特徴
- 表面の構造:
A型とB型ウイルスの表面には、2種類の糖たんぱく質があります。- 血球凝集素(HA:ヘマグルチニン)
ウイルスが細胞に感染するために使われるたんぱく質。 - ノイラミニダーゼ(NA)
感染した細胞からウイルスが離れる際に必要なたんぱく質。
- 血球凝集素(HA:ヘマグルチニン)
- A型の特徴
A型では、HAには16種類(H1~H16)、NAには9種類(N1~N9)があり、これらの組み合わせによって亜型に分類されます。
例:- A(H1N1):いわゆる「ソ連型インフルエンザ」
- A(H3N2):いわゆる「香港型インフルエンザ」
流行の中心A型は最も感染力が強く、大規模な流行(パンデミック)を引き起こすことがあります。宿主が広範囲ヒトだけでなく、鳥や豚など多くの動物にも感染します。特に鳥インフルエンザや豚インフルエンザが知られています。抗原変異が頻繁A型のウイルスは抗原(ウイルス表面の構造)が変わりやすく、新しい型が定期的に出現します。このため、毎年ワクチンを更新する必要があります。
症状:高熱(38℃以上)全身の倦怠感、筋肉痛が顕著重症化しやすい(特に高齢者や基礎疾患を持つ人)
- B型の特徴:
B型には亜型はありませんが、表面のたんぱく質が変化(抗原性の変異)することで新しい株が出現します。
流行が限定的A型ほどの大規模な流行は起こさず、地域的な流行が中心です。宿主がヒト限定ヒトのみに感染し、動物には感染しません。そのため、A型と比べて変異が少なく、安定した型です。症状が比較的軽めA型より症状が軽いことが多いですが、時に高熱や倦怠感を伴うこともあります。
症状:発熱やのどの痛み軽い全身症状(筋肉痛や倦怠感)子どもがかかると腸炎症状(下痢や腹痛)を伴うことも
C型の特徴
- 表面の糖たんぱく質:
C型では、ヘマグルチニンエステラーゼ(HE)という1種類の糖たんぱく質があります。
流行しにくいC型は感染しても軽症で済むことが多く、ほとんど流行しません。症状が軽微鼻風邪程度の症状にとどまり、気づかないこともあります。対象年齢が狭い主に小児が感染し、成人の感染は稀です。
症状:軽い鼻風邪のような症状発熱や倦怠感はほぼない
抗原性の変異について
- HAの変化:
A型のHAは非常に変化しやすく、次々と新しいウイルス株が出現します。この変化があるため、毎年インフルエンザワクチンが更新される必要があります。 - B型の変異:
B型も抗原性の変異が起こりますが、A型ほど頻繁ではありません。
インフルエンザウイルスは表面の糖たんぱく質(HAやNA)の組み合わせや変化によって多様な形を持ち、これが毎年の流行やパンデミックの原因になります。簡単に言えば、ウイルスの「見た目」が変わることで、体の免疫が毎回新しい敵として認識する必要があるのです。
特徴 | A型 | B型 | C型 |
感染対象 | ヒト、動物 | ヒトのみ | ヒト(主に小児) |
流行規模 | 大規模な流行やパンデミック | 地域的な流行 | 流行しない |
症状の重さ | 強い | 中程度 | 軽い |
抗原の変異頻度 | 非常に高い | 低い | 非常に少ない |
ワクチンの必要性 | 必須 | 必須 | 必要なし |
ウイルスとは?
そもそもウィルスとはどんな存在なのか見ていきましょう。
- 超微小な病原体 ウイルスは非常に小さく、顕微鏡でしか見ることができません(細菌の100分の1程度のサイズも多いです)。その構造は単純で、遺伝物質(DNAまたはRNA)と、それを包むタンパク質の殻(カプシド)からなります。一部のウイルスにはさらに脂質膜(エンベロープ)が付いています。
- 生物と無生物の中間的な存在 ウイルスは自己増殖できず、宿主(細胞)の中でのみ増殖します。そのため、通常の意味で「生きている」とはみなされません。細胞の外では、化学的に安定した粒子のような状態です。
ウイルスの特徴
- 自己増殖できない ウイルス単独ではエネルギーを作ったり、タンパク質を合成したりすることができません。宿主の細胞を利用して、自らの遺伝情報を複製し、増殖します。
- 非常にシンプルな構造 ウイルスは、細胞を持たず、独自の代謝系もありません。生命体の最小単位である「細胞」さえ持っていないため、他の生命体とは一線を画します。
- 宿主特異性がある ウイルスは特定の宿主に感染する性質を持ちます。例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は主に人間の免疫細胞を標的にしますが、他の動物には感染しません。
ウイルスの増殖プロセス
- 宿主細胞への侵入 ウイルスは特定の受容体に結合し、宿主細胞内に侵入します。
- 遺伝情報の複製 宿主細胞の酵素やリソースを利用して、ウイルスの遺伝物質をコピーし、必要なタンパク質を作ります。
- 組み立てと放出 宿主細胞内で新しいウイルス粒子を組み立て、最終的には細胞を破壊して放出されます。この結果、宿主の健康が損なわれます。
インフルエンザの症状
インフルエンザと普通のかぜの違い
1. 発症の流れ
- インフルエンザ
感染から1~3日の潜伏期間を経て発症します。発症後の1~3日は高熱(38℃以上)や全身倦怠感、食欲不振などの全身症状が急激に現れます。その後、咳、喉の痛み、鼻水といった呼吸器症状や、腰痛や吐き気などの消化器症状が出ることもあります。通常、症状は10日前後で治まります。 - かぜ
発症後の進行は緩やかで、主に喉の痛み、くしゃみ、鼻水・鼻づまりなどの軽い上気道症状が中心です。発熱は軽度(37~38℃程度)で済むことが多いです。
2. 主な症状
特徴 | かぜ(普通感冒) | インフルエンザ |
---|---|---|
発症時期 | 1年中、散発的 | 冬季に流行 |
進行 | 緩やか | 急激 |
発熱 | 軽度(37~38℃以下) | 高熱(38℃以上) |
主症状 | 喉の痛み、くしゃみ、鼻水・鼻づまり | 高熱、全身倦怠感、食欲不振、関節痛、筋肉痛、頭痛 |
合併症 | 少ない | 肺炎や脳炎(インフルエンザ脳炎)などを引き起こすことがある |
原因ウイルス | ライノウイルス、コロナウイルスなど | インフルエンザウイルス |
インフルエンザの感染経路
インフルエンザは、主に以下の2つの方法で感染します。
1. 飛沫感染
- 仕組み: 感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことで感染します。
- 特徴:くしゃみや咳のしぶき(飛沫)は1~2m先まで届くため、感染者と少し距離を取っただけでは感染リスクを完全に防ぐことはできません。
2. 接触感染
- 仕組み: ウイルスが付着した手で自分の口、鼻、目を触ることで感染します。
- 特徴:ドアノブや電車・バスのつり革、机や椅子など、多くの人が触れる場所が感染源になることが多いです。
感染経路 | 説明 | 主な病原体の例 |
---|---|---|
空気感染 | 感染者の飛沫に含まれる病原体が空気中を拡散し、それを吸い込むことで感染する。 | 結核菌、麻しんウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス |
飛沫感染 | 咳、くしゃみ、会話で飛び散った飛沫に含まれる病原体を近くにいる人が吸い込むことで感染する(1~2メートル以内)。 | インフルエンザウイルス、風しんウイルス、アデノウイルス(風邪症候群) |
接触感染 | 感染者の皮膚や粘膜、または病原体が付着した物に触れた手で、自分の鼻や口を触れることで感染する。 | ノロウイルス、インフルエンザ、水痘・帯状疱疹ウイルス、黄色ブドウ球菌 |
経口感染 | 汚染された水や食べ物を口にすることで感染する。 | ノロウイルス、O157(腸管出血性大腸菌)、サルモネラ菌 |
インフルエンザの流行時期
流行時期
毎年、冬(12月から3月頃)に流行します。乾燥した環境ではウイルスが生き残りやすいため、特に注意が必要です。
条件 | 説明 |
---|---|
低温環境 | 約5℃前後の低温で活性を保ち、冬季に流行しやすい。 |
乾燥環境 | 湿度50%以下で感染力が持続し、湿度60%以上では不活性化する。 |
密閉空間 | 換気の悪い密集環境(オフィス、学校、電車など)では感染リスクが上昇する。 |
物体表面 | プラスチックや金属表面で数時間〜数日間生存するが、高温多湿の環境では寿命が短縮される。 |
インフルエンザの重症化リスク
乳幼児、高齢者、妊婦、基礎疾患(糖尿病、心疾患、喘息など)を持つ人は、肺炎や急性脳症などの重症化リスクが高まります。
肺炎
肺炎とは、細菌やウイルスによる肺の感染症で、肺胞に炎症が起き、呼吸が困難になる病気です。
主な原因
インフルエンザと細菌性肺炎の関係
インフルエンザウイルス感染により、肺や気道が弱まり、細菌性肺炎を引き起こすことがあります。
インフルエンザの影響
細菌性肺炎は細菌による感染症で、インフルエンザが引き金となることが多いです。
インフルエンザの症状
治療
インフルエンザ:
インフルエンザ予防
ワクチン接種:感染と重症化を予防
基本的な予防:手洗い・うがい、十分な休養
肺炎予防
インフルエンザ脳症とは?
インフルエンザの予防法
ワクチン接種
インフルエンザの流行を防ぐために最も効果的なのがワクチンです。接種後2週間程度で効果が出始め、4〜5ヶ月ほど持続します。 インフルエンザワクチンQ&A(2024年)の要点:
1. 概要と効果
4. 発症予防率
感染・発症を防ぐ割合(40~60%)。年齢や健康状態により効果は異なります。
5. 重症化予防率
重症化を防ぐ割合(80%以上)。高齢者や基礎疾患保有者の入院リスクを大幅に軽減。
6. 年齢別効果
- 乳幼児: 重症化予防に効果的
- 成人: 発症・重症化予防ともに高効果
- 高齢者: 重症化予防が主な効果
- 集団免疫効果ありウイルスの型が毎年変化するため、年1回の接種が必要
インフルエンザワクチンの特徴
不活化ワクチンである
日本では不活化ワクチンを使用。ウイルスを不活性化し、安全に加工して抗体を作らせます。
対象ウイルス:
A型2種類、B型2種類の計4つのウイルス株を含み、WHOの予測に基づき製造。
接種回数:
13歳未満: 4週間間隔で2回
13歳以上: 1回
2. 仕組みと効果
免疫の仕組み:
体が抗体を作り、ウイルスから身を守ります。
効果:
接種2週間後から効果が出始め、約5ヶ月持続。10月~12月の接種が推奨。
3. 種類と安全性
主な種類:
日本では安全性の高い不活化ワクチンが主流。海外では一部で鼻スプレー型の生ワクチンも。
副反応:
通常は軽度(接種部位の腫れ等)。重い副反応は稀。
4. 予防効果
- 個人防衛: 感染・重症化リスクを軽減
- 集団防衛: 社会全体の感染拡大を抑制
- 避けるべき人: 発熱時や重いアレルギー歴がある場合
- 接種時期: 流行前の10月~12月が推奨
ワクチンの種類
主なワクチンの種類と特徴を説明します。
1. 生ワクチン
- 弱毒化病原体を使用、免疫効果が高く1回接種で効果あり例:麻疹、風疹、BCG免疫力低下者には注意
- 死滅病原体使用、安全性高いが複数回接種必要例:日本脳炎、ポリオ、インフルエンザ
- 病原体の一部や無毒化毒素を使用、安全性高い例:B型肝炎、破傷風
- mRNA:遺伝情報使用、効果高く製造迅速(例:COVID-19)
- ウイルスベクター:無害化ウイルスで遺伝子導入
種類 | 免疫効果 | 安全性 |
生ワクチン | 高い | 中程度 |
不活化 | 中程度 | 高い |
組換え・トキソイド | 中程度 | 高い |
新型 | 高い | 高い |
ワクチンは目的に応じて選択され、医師と相談の上で接種を決めます。
手洗い・うがい
ウイルスは手から口や鼻を通じて体内に侵入します。正しい手洗いやうがいで感染リスクを減らせます。
正しい手洗いの手順
流水で手をぬらす 石けんがよく泡立つように手全体を濡らします
石けんをつける 手のひら全体に石けんを広げ、十分に泡立てます。
各部位を丁寧に洗う
手のひら:よくこすり合わせます。
手の甲:指を伸ばしながらこすります。
指先・爪の間:指先を反対の手の手のひらでこするように洗います。
指の間:しっかりと洗い残しがないように注意します。
親指:もう一方の手で握るようにしてねじり洗いします。
手首:最後に手首を洗います。
十分にすすぐ 石けんを残さないよう、流水でしっかり流します。
手を乾かす 清潔なタオルまたはペーパータオルで水気を取り除きます。
手洗いのポイント
- タイミング:帰宅後、調理や食事の前後にこまめに実施。
- 準備:爪を短く整え、時計や指輪を外すことで効果的に洗浄可能。
- 石けんの使用:ウイルスは石けんに弱いので、必ず使用する。
- 科学的根拠の欠如首相官邸HPや厚生労働省の公式資料では、「うがいがインフルエンザ予防に有効である」という科学的根拠(エビデンス)はないとされています。
- 疑問視される理由ウイルスが喉や気管支に付着して細胞に侵入する時間は数分〜20分とされ、頻繁にうがいをしなければ予防効果が期待できないという現実があります。
- 結論日常的なうがいは風邪などの一般的な感染症予防に役立つ可能性はあるものの、インフルエンザ予防には期待できないと考えられています。
うがいのメリット
風邪予防の効果があると言われている 喉や口内の細菌やウイルスを洗い流すことで、風邪などの感染症のリスクを軽減する可能性があります。
喉や口内の乾燥防止 喉の粘膜が乾燥すると、感染に対する防御機能が低下します。うがいをすることで潤いを保ち、粘膜のバリア機能を維持できます。
花粉やホコリの除去 外出後、喉や口内に付着した花粉、ホコリ、細菌を流すことで、アレルギー症状や感染のリスクを軽減できます。
マスクの着用
咳やくしゃみの飛沫感染を防ぐためにはマスクが有効です。
マスクの効果
1. 感染拡大の防止
- 咳・くしゃみ時の飛沫防止風邪やインフルエンザ患者は、咳やくしゃみで大量のウイルスを放出します。マスクは飛沫を周囲に広げるのを抑え、感染拡大を防ぎます。
- 他人の飛沫を直接吸い込むのをある程度防ぐ効果がありますが、100%ではありません。特に、顔とマスクの隙間がある場合、ウイルスの侵入を完全に防ぐことは難しいです。手を介した感染も多いため、手洗いの徹底が重要です。
- 不織布マスクが最も効果的。感染症が流行している時期には推奨されます。
1. 正しい装着方法
- 鼻と口の両方をしっかり覆う。ゴムひもを耳にかける。顔との隙間がないように調整する(必要ならゴムを結んで調整)。
- 鼻や口が出ている場合。顔に密着していない場合。
- マスクの表面にはウイルスが付着している可能性があるため、表面には触れない。耳のゴムひも部分をつかんで外し、すぐにゴミ箱に捨てる。外した後は必ず手洗いを行う。
- マスクだけで完全な感染予防はできないため、手洗いやうがい、適切な湿度管理を組み合わせて対策を行いましょう。飛沫感染リスクが高い状況(看病や密集空間など)では特に有効です。
科学的根拠
- 顔とマスクの隙間からのウイルス侵入:
- マスクの装着が完全でない場合、隙間を通じて飛沫やエアロゾルを吸い込む可能性があります。デンマークでのランダム化比較試験では、1か月間の観察期間中、マスクの有無で感染リスクに有意な差が見られなかったと報告されています【8:4†source】。
- 新型コロナウイルスのようなウイルスは、0.1~0.2μmの粒子径を持つため、不織布マスクでさえ完全に防ぐことはできません。ただし、多くの飛沫は5μm以上であるため、距離や換気が重要になります【8:4†source】。
- マスクを装着することで「安心感」が生まれ、手洗いや物理的距離の維持など、他の感染対策が疎かになる可能性が指摘されています【8:4†source】。
- コミュニティでのマスク使用の効果を調べた研究では、感染リスクの減少が確認されない場合もあります。特に、感染リスクが高くない状況ではマスクの効果が見えにくいとされています。
- 布マスクや薄い素材のマスクでは、不織布マスクに比べ効果が低い。適切な装着方法が守られなければ、効果が著しく低下します。
- マスク効果がない、または限定的であるとされる研究の多くは、特定の条件下(例えば感染率が低い環境や不完全な装着方法)で行われたものです。一方で、マスクの効果が確認されている研究も多く、特に高リスク環境(医療現場や密集空間)ではその有効性が強調されています。
規則正しい生活
睡眠や栄養を十分にとることで免疫力を高め、感染しにくい体を作ります。
1. 睡眠を十分にとる
- 7〜8時間の質の高い睡眠を確保しましょう。寝る前にスマートフォンやパソコンの使用を控え、部屋を暗く静かな環境に整える。就寝時間と起床時間を一定にすることで、体内時計を整える。
- 免疫力を高める栄養素を積極的に摂取:
- ビタミンC(オレンジ、キウイ、ブロッコリーなど)
- ビタミンD(鮭、サバ、キノコ類など)
- 亜鉛(牡蠣、豚肉、卵など)
毎日30分程度の軽い運動を継続する:
ウォーキング、ストレッチ、ヨガなどが効果的。
運動は免疫機能を向上させるとともに、ストレスを軽減します。
インフルエンザの治療法
もし感染したら?
早めの医療機関受診 発症後48時間以内に抗ウイルス薬を服用すると、症状を軽減しやすいです。
安静と水分補給 無理をせず、体を温かく保ちながらしっかり休むことが大切です。
他人への感染を防ぐ 家族や職場などで広がらないよう、マスクを着用し、人混みを避けましょう。
インフルエンザの治療法
一般療法 生活療法とも呼ばれ、インフルエンザ治療の基本です。
- 安静にして、十分な睡眠をとること 体を休めることで免疫力が高まり、回復が早まります。
- 水分をしっかり補給すること 高熱で脱水症状を起こさないよう、水や経口補水液をこまめに摂りましょう。
薬物療法 インフルエンザの薬物療法には、以下の2種類があります:
1. 原因療法(抗インフルエンザウイルス薬)
- 特徴: ウイルスの増殖を抑え、感染の拡大を防ぎます。
- ポイント:
- インフルエンザウイルスは増殖スピードが非常に速く、症状が出てから48時間以内にピークを迎えます。このため、発症後48時間以内に服用を開始しないと効果が薄れます。発症したら、できるだけ早く医師の指示を受けて服用を開始しましょう。
- 解熱鎮痛薬: 高熱を下げるために使用します。
- 抗菌薬: 黄色い痰など、細菌による二次感染が疑われる場合に使用します。
インフルエンザの注意点
風邪と間違えやすいため、症状が急激で強い場合はインフルエンザを疑い、早めに行動することが重要です。また、感染力が高いため、予防策を徹底することが自分と周囲を守る鍵になります。
参考
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html
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