肌状態に対する鍼治療と指圧療法の美容効果の調査 報告を要約しました

この研究は、現代社会において増加している女性の肌トラブルの背景に、ストレスや生活習慣の乱れが大きく影響しているという問題意識から始まっています。肌の状態が悪化することを自覚する女性が増えている中で、単に局所的なスキンケアだけではなく、全身の健康を改善することで美容効果を得ようとするアプローチが注目を集めています。その一つが「美容鍼灸」であり、本研究ではその効果を科学的に検証することを目的としています。

研究の対象は、肌に不調を感じている14名の健常な成人女性です。これらの被験者を鍼治療群と指圧療法群にランダムに分け、それぞれ4週間にわたり週2回の治療を施しました。治療前後での評価は、主観的な健康感や疲労感、肌状態に関するアンケート、さらに客観的な肌の色調やシワの面積率など多角的な指標を用いて行われました。

研究結果:

  • 鍼治療群では、主観的なシワやたるみの改善が顕著であり、客観的評価でも鼻唇溝(法令線)のシワ面積率が減少する傾向が見られました。これは、鍼治療が肌の形態的な変化、特にシワに対して効果があることを示唆しています。
  • 指圧療法群では、主観的な皮脂のコントロールや気分テストのスコアが改善され、客観的には肌の色調が明るくなり(L*値の増加)、酸素化ヘモグロビン指数(HbO2指数)の増加と、メラニン指数の減少が見られました。これにより、指圧療法が肌の色調改善に効果がある可能性が示唆されました。

考察と結論: 研究の結果から、鍼治療は主にシワやたるみなどの肌の形態的な改善に寄与し、一方で指圧療法は肌の色調やメラニン含量の改善に効果がある可能性が示唆されました。これらの効果の違いは、治療法の違いに起因するものと考えられます。本研究は、主観的評価と客観的評価を併用することで、美容鍼灸の効果を具体的に示したものであり、今後の美容治療の発展に対して有意義な示唆を与えるものです。

引用元URL

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/62/2/62_157/_article/-char/ja/

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はりきゅう整体院 和からだみなおし処 矢上真吾