― 館山市「和からだみなおし処」が提案する熱中症予防と“からだメンテ”完全ガイド ―
WBGT を味方につけ、7+α の基本対策と 鍼灸・整体ケア で「暑さに負けない⾝体」をつくりましょう。
1.熱中症は “⾃然空調” のオーバーヒート
私たちの⾝体は、
- 汗の蒸発(気化熱)
- 皮膚⾎管の拡張
- 呼吸での放熱
という“冷却システム”で体温を37 ℃前後に保っています。ところが「高温・多湿・直射⽇光+脱⽔や寝不⾜+無理な運動」が重なると、システムが追いつかず深部体温が急上昇—これが熱中症です。
症状は
- 軽度:めまい・こむら返り
- 中等度:頭痛・吐き気・判断⼒低下
- 重度:40 ℃超の⾼体温・意識障害
重度は命に関わるため、迷わず救急要請を。
2.「WBGT」を知らずに夏は戦えない
- WBGT(暑さ指数)=気温+湿度+⽇射・輻射熱をまとめた熱ストレス指標
- 環境省は WBGT に応じた運動・作業基準を公表し、31 ℃以上で「原則運動中⽌」を推奨しています wbgt.env.go.jp
- 2025 年からは 「熱中症特別警戒アラート」(WBGT33 ℃以上相当) が導入され、都道府県単位で前⽇ 17 時と当⽇ 5 時に発表されます env.go.jp
WBGT と行動のめやす
WBGT | 危険度 | 行動ガイド(抜粋) |
---|---|---|
21 ℃未満 | ほぼ安全 | 適宜⽔分補給 |
21–25 ℃ | 注意 | こまめな休憩 |
25–28 ℃ | 警戒 | 激しい運動 30 分ごと休憩 |
28–31 ℃ | 厳重警戒 | 激しい運動回避・10–20 分休憩 |
31 ℃以上 | 危険 | 原則運動中⽌、屋内作業は最小限 |
チェック法
- 環境省「熱中症予防情報サイト」https://www.wbgt.env.go.jp/やスマホアプリで実況と予測を確認
- 体育館・現場では携帯 WBGT 計(⾼温多湿下でも数秒で測定)
3.7+α 基本予防策
対策 | ポイント |
---|---|
① ⽔分をこまめに | コップ1杯を“のどが渇く前”に。発汗が多い時は経口補⽔液。 |
② ミネラル補給 | ナトリウム・カリウム・マグネシウムは梅⼲し・バナナ・ナッツ等で。 |
③ 直射⽇光を遮る | SPF30 以上の日焼け⽌め+帽⼦・⽇傘。 |
④ “3点冷却” | 首・腋・鼠径部を氷嚢や冷却パックで冷やすと深部体温が素早く低下。 |
⑤ 通気性ウェア | 吸汗速乾素材・淡⾊・ゆったりシルエット。 |
⑥ 暑熱馴化 | 1⽇ 30 分のウォーキング×5⽇で発汗能⼒が向上。 |
⑦ 運動習慣 | 週 150 分の中強度運動+筋トレ2⽇で基礎体⼒UP。 |
追加: 涼しい環境計画/アルコール控え/⾼齢者⾒守り | 室温28 ℃・湿度60 %以下を⼼がけ、バディシステムで声かけ。 |
4.鍼灸・整体が“熱に強い⾝体”をつくる理由
切り⼝ | 具体施術 | 期待効果 | 根拠 |
---|---|---|---|
自律神経調律 | 足三⾥・内関・合⾕への置鍼+低周波通電10 min | 発汗開始温度を適正化、⾝体が暑さに反応しやすい | 鍼で副交感神経が優位になり HRV HF 成分↑ jstage.jst.go.jp |
末梢循環UP | 下腿・前腕ポンプマッサージ/胸郭リリース | 皮膚⾎流↑→放熱効率向上 | 穴位への温熱刺激で⾎流量上昇報告 airitilibrary.com |
発汗反応安定 | 100 Hz EA:過剰発汗抑制 / 5 Hz EA:低発汗改善 | 脱⽔と熱こもりの両極端を防ぐ | 周波数別 EA で精神性発汗を調整した実験 jstage.jst.go.jp |
疲労回復 | 鍼+筋膜リリース+PNF ストレッチ | 乳酸・炎症サイトカイン低減で熱疲労後の回復促進 | 運動後の鍼灸が CK 値を抑制する報告など |
施術イメージ
- HRV 測定→隠れ脱水チェック
- 足三⾥+内関 電気鍼
- 下腿ポンプマッサージ
- 首元へ保冷剤装着指導
- 再度 HRV 測定で数値化
→ 短時間でも“⾒える変化”が動機づけに直結!
5.日頃の身体ケア&運動がカギ
- 筋⾁と⼼肺機能が整えば、同じ暑さでも体温上昇が緩やか。
- ストレッチや整体で可動域を広げると、歩幅が伸び運動効率↑→発汗量のロス↓。
- ⽉1〜2回の定期メンテは「隠れ⾼⾎圧・隠れ脱⽔」を HRV や脈診で早期発⾒でき、重症化を予防。
6.よくある質問
- 施術当日に運動していい?
軽い有酸素なら OK。ただし発汗が増えるため、施術後 1 h は経口補⽔液で補給を。 - ⼦どもや⾼齢者にも安全?
低刺激の鍼や接触鍼を使うため痛みほぼゼロ。事前に持病・服薬を確認します。 - 熱中症になった後はいつから受けられる?
医師の許可+発熱のないことを確認してから。倦怠感が残るうちはリカバリー専⽤メニューを。
7.まとめ 〜“水・塩・影・風”+“整える”〜
- WBGT を毎朝チェック
- 7+α の基本予防で一次防衛
- 鍼灸・整体で自律神経と循環をチューニング
- 運動習慣と定期メンテで「暑さに強い⾝体」へ
館山の夏は、⼤好きな海⾵と同時に強烈な陽射しを運んできます。あなたの⾝体という“エンジン”を⼤切にメンテしながら、暑い季節も元気に駆け抜けましょう。
執筆・監修:
鍼灸整体院「和からだみなおし処」院⻑ 矢上 真吾
(元 J リーグ・ヴァンフォーレ甲府トレーナー/鍼灸師歴 23 年)
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