日本の美容鍼研究はどこまで進んでいるのか?44本の論文レビューから見える現状

日本の美容鍼研究はどこまで進んでいるのか?
44本の論文レビューから見える現状

美容鍼の論文を調べるハリーちゃん
今日の和からだみなおし処は、ちょっと違う角度から。
美容鍼について、「どれくらい研究されているのか」
「何がわかっていて、何がまだわかっていないのか」。
日本国内の美容鍼灸論文44本をまとめて検証した
レビュー研究から、その現状を見ていこう!
第1章:何を調べた研究なのか?
ハリーちゃん
ハリーちゃん
院長! 今日は美容鍼の研究についてなんだよね?
院長
院長
そうだよ。今日は、日本国内の美容鍼灸に関する論文をまとめて検証したレビュー研究について話そう。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
レビュー研究って何?
院長
院長
レビュー研究っていうのは、過去の研究をたくさん集めて、まとめて分析する研究のことなんだ。今回は、医中誌Webという日本の医学データベースを使って、2020年12月31日までに発表された美容鍼灸の原著論文を検索したんだよ。

研究の方法

研究者: 松浦悠人、岡本真理、安野富美子
論文タイトル: 国内の美容鍼灸に関する研究論文レビュー
掲載: 日本統合医療学会誌 15巻1号 (2022年)
データベース: 医中誌Web(日本の医学論文データベース)
検索期間: 2020年12月31日まで
対象: 美容鍼灸の原著論文
収集された論文: 合計44本
ハリーちゃん
ハリーちゃん
44本! それで何を調べたの?
院長
院長
それらをすべて読み込んで、「どんな目的で」「どんな方法で」「何を評価しているのか」を整理したんだ。
44本の論文を集めて、
美容鍼の研究の全体像を見る。
それが、このレビュー研究の目的だった。
第2章:美容鍼の研究は増えている
ハリーちゃん
ハリーちゃん
で、何がわかったの?
院長
院長
まずわかったのは、2007年以降、美容鍼に関する論文が増え続けているという点なんだ。

発見①:研究は増えている

2007年以降、
美容鍼に関する論文が増加傾向
ハリーちゃん
ハリーちゃん
それってつまり...?
院長
院長
つまり、美容鍼は「流行の民間療法」ではなく、研究対象として扱われる分野に育ってきているということなんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
じゃあ、もう完璧に研究されてるってこと?
院長
院長
それがね、一方で課題も指摘されているんだ。査読付きの学術誌(厳しくチェックされる医学雑誌)に載った論文はまだ少なくて、研究の質にはばらつきがあるという点なんだよ。

課題:研究の質にばらつき

査読付き学術誌の論文は少ない
研究の質にばらつきがある
研究は増えている。
でも、まだ発展途上。
それが、美容鍼研究の現状だった。
第3章:何を目的にしている研究が多いのか?
ハリーちゃん
ハリーちゃん
44本の論文は、何を調べてたの?
院長
院長
最も多かった目的は「美顔」、つまり:
  • リフトアップ
  • たるみ
  • 顔の印象
に関するものだったんだ。

最も多い研究目的

「美顔」に関する研究
リフトアップ
たるみ
顔の印象
ハリーちゃん
ハリーちゃん
やっぱり「顔がどう変わるか」に注目してるんだね!
院長
院長
そうなんだ。多くの研究が、「顔はどう変わるか」に注目していることがわかったんだよ。
美容鍼の研究の多くは、
「顔」に注目している。
でも、ここからが重要。
第4章:実際の施術は、顔だけではない
ハリーちゃん
ハリーちゃん
じゃあ、研究では顔だけに鍼してるの?
院長
院長
ここがとても重要なんだ、ハリーちゃん! 実は、研究で行われている美容鍼は、顔だけに鍼をしているわけではないんだよ!
ハリーちゃん
ハリーちゃん
えっ!? どういうこと!?
院長
院長
多くの研究で、顔面だけでなく、頭、首、手足、体幹など、全身に鍼が使われていたんだ。

研究で使われている施術部位

顔面
手足
体幹
ハリーちゃん
ハリーちゃん
全身! つまり...?
院長
院長
つまり、美容鍼の研究の現場では、「顔と体は切り離せない」という考え方がすでに前提になっているんだよ。

重要な発見

美容鍼の研究では、
「顔と体は切り離せない」が前提

これは、とても大切なこと。
美容鍼の研究は、
最初から「全身」を見ていた。
第5章:どうやって効果を評価しているのか?
ハリーちゃん
ハリーちゃん
研究では、効果をどうやって調べてるの?
院長
院長
44本の論文の多くで使われていたのは、本人の主観的評価だったんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
主観的評価って?
院長
院長
「良くなった気がする」「スッキリした」「引き上がった感じがする」といった、アンケートや感想が主な評価方法なんだ。

主な評価方法

本人の主観的評価
✓ 良くなった気がする
✓ スッキリした
✓ 引き上がった感じがする
ハリーちゃん
ハリーちゃん
それって、問題ないの?
院長
院長
この点について、論文では「今後は、もっと客観的で科学的な評価方法が必要」と指摘されているんだ。

今後の課題

もっと客観的で
科学的な評価方法が必要
評価方法は、まだ発展途上。
これが、美容鍼研究の現状だった。
第6章:このレビューが示していること
ハリーちゃん
ハリーちゃん
まとめると、何がわかったの?
院長
院長
この研究が伝えているのは、次の3つのことなんだ:
  1. 美容鍼の研究は増えてきている
  2. 多くの研究が顔だけでなく全身を使っている
  3. しかし、評価方法はまだ発展途上

レビュー研究が示したこと

① 研究は増えている
② 全身に鍼が使われている
③ 評価方法は発展途上
ハリーちゃん
ハリーちゃん
つまり、美容鍼は...?
院長
院長
つまり、美容鍼は「何となく効くもの」から「科学的に検証される段階」へ移行している途中にあるということなんだ。

美容鍼の現在地

「何となく効くもの」から
「科学的に検証される段階」へ
移行している途中

美容鍼は、成長している。
研究の世界でも、
着実に前進している。
第7章:和からだみなおし処の美容鍼と、この研究
ハリーちゃん
ハリーちゃん
和からだみなおし処では、どうやってるの?
院長
院長
なごみの美容鍼では、顔、頭、首、体(上肢・下肢)に鍼を行い、首の調整も組み合わせているんだ。これは、「顔だけを見ない」という考え方に基づいているんだよ。

和からだみなおし処の美容鍼

上肢
下肢
+ 首の調整
ハリーちゃん
ハリーちゃん
この研究と、どう関係してるの?
院長
院長
今回の論文レビューが示した「研究でも全身に鍼が使われている」という事実は、この考え方が感覚ではなく、研究の流れとも一致していることを示しているんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
評価方法については?
院長
院長
今後はより客観的な評価が必要だと指摘されている点も、なごみが写真や姿勢評価を大切にしている理由と重なるんだよ。

研究と実践の一致

研究でも全身に鍼が使われている

和からだみなおし処の考え方と一致

研究の流れと、
和からだみなおし処の実践は、
同じ方向を向いていた。
終章:美容鍼は「体を含めて顔を見る」ケアへ
院長
院長
美容鍼は、単なる「顔のリフトアップ」から、「体の状態が顔にどう表れるか」を扱うケアへと進んでいるんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
この論文レビューは、それを裏づけてるんだね!
院長
院長
そうなんだ。この論文レビューは、その流れを学術的に裏づける内容だと言えるんだよ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
最後に、みんなに伝えたいことは?
院長
院長
和からだみなおし処では、この考え方に沿って、美容鍼を行っているということだよ。
美容鍼は、進化している。
「顔だけ」から「体を含めて」へ。

44本の論文が示したのは、
その流れが、感覚ではなく
研究の世界でも起きているということ。

和からだみなおし処は、今日も
その考え方に沿って、
美容鍼を行っている。

美容鍼は、
体を含めて顔を見るケア。
※ この記事について
この記事は、以下の医学研究をもとに解説しています。

引用論文:
松浦悠人、岡本真理、安野富美子「国内の美容鍼灸に関する研究論文レビュー」日本統合医療学会誌 15巻1号 p.26-35 (2022年)

医中誌Webを用いて2020年12月31日までに発表された美容鍼灸の原著論文44本をレビューし、研究の動向を分析した研究です。個人差がありますので、美容や健康に関する具体的なお悩みは、専門家にご相談ください。