「急にぐるっと世界が回るようなめまいが起きた」
「寝返りや顔を動かすと症状が強く出る」
そんなご相談が、当院でも時々あります。
耳鼻科で「耳石が落ちています」と診断されても、体位を変えるとめまいが誘発されるなど、症状が続くケースは少なくありません。
本記事では、耳鼻科でもよく説明される「耳石が落ちるめまい(BPPV)」が起きるメカニズムやなぜ数日続くのか、そして当院でどのようなサポートができるのかを分かりやすくまとめました。
1. 「耳石が落ちる」とは?
良性発作性頭位めまい症(BPPV)
耳鼻科で「耳石が落ちている」と説明された場合、ほとんどが良性発作性頭位めまい症(BPPV)のようです。
内耳には、身体のバランスを感じるセンサーがあり、
- 三半規管(頭の回転を感じる)
- 耳石器(重力・加速度を感じる)
という2つが働いています。
耳石器には耳石(カルシウムの粒)がのっていますが、これが何らかの理由で剥がれ、間違って三半規管に入り込むと、
頭を動かすたびに耳石が動く
脳は「回転している」と誤解する
数秒〜1分の強いめまいが起きる
というしくみと考えられています。
2. なぜ耳石は剥がれるのか?
耳石が落ちる背景には首の血流低下や自律神経の乱れが深く関わっていると考えられます。
耳石が乗っている「耳石膜」はゼリー状の組織で、血流や代謝の影響を大きく受けます。
耳石が剥がれやすくなる要因は:
✔ ストレートネック・首肩の強い緊張
→ 内耳の血流が低下し、耳石膜が脆くなる
✔ 自律神経の乱れ(疲労・ストレス・寝不足)
→ 内耳の代謝が落ちる
✔ 急な頭位変換(寝返り・振り返り・運動)
→ 耳石に負担
✔ ダイビング・旅行による疲労
→ 気圧変化・水圧・移動の疲れで更に首が緊張
3. 「戻したら治る」は誤解
耳石膜は"弱った状態"が本質
「耳石を戻したのにまだめまいが残る」
「薬で落ち着いているけど治っていない」
こうしたことは珍しくありません。
理由は:
✔ 耳石が剥がれた原因(首の緊張・血流低下)が残っている
→ 再び落ちやすい
✔ 耳石膜は新陳代謝する組織
→ 代謝が整うことで"耳石を保持できる強さ"が戻る
→ これは数日〜数週間かかることもある
つまり、耳石体操だけでは根本的な回復にならない可能性があります。
耳石が剥がれた"土台そのもの"を整えることが大切です。
4. めまいが続く理由
施術中や日常生活で、寝返りの姿勢でめまいが再現することがあります。
これは耳石めまい(BPPV)の典型的な途中経過で、
- 薬はあくまで症状を抑えるだけ
- 耳石がまだ三半規管内に存在している可能性
- 耳石膜も修復途中
という状態であるため、施術1回でめまいが消えないことが多くあります。
5. 回復には何が必要なのか?
耳石めまいの根本改善は、
① 首・肩・後頭部の血流改善
→ 内耳の循環が整う
→ 耳石膜の修復が進む
→ 耳石が落ちにくい状態へ
② 自律神経の安定
→ 内耳リンパの代謝が回復
→ めまい発作が起きにくくなる
③ 姿勢改善・ストレートネックのケア
→ 慢性的な後頭部の緊張をとる
→ 再発予防に重要
④ 水分・電解質補給
→ 内耳のむくみ軽減
→ めまいのブレを減らす
6. 和からだみなおし処でできること
当院では、耳石めまいの原因となる首の緊張・血流低下・自律神経の乱れを整える施術が可能です。
● 鍼灸施術
- 後頭下筋群の緊張をやわらげる
- 椎骨動脈の血流を改善
- 内耳の代謝回復を助ける
● 整体・姿勢調整
- ストレートネックによる負担を軽減
- 胸椎の動きを改善し、呼吸を整える
- 再発しにくい首の状態を作る
● 自律神経調整
- ぎっくり腰後の交感神経の高ぶりを鎮める
- 内耳の循環が安定
- めまいの治まりが早くなる
● 生活アドバイス
- 正しい寝返り・起き上がり方
- 首に負担の少ない姿勢
- 軽い前庭リハビリの方法
- 水分・電解質の摂り方