介護保険とは何か - 鍼灸師として見ている「本当の意味」

介護保険とは何か
- 鍼灸師として見ている「本当の意味」 -

介護保険について学ぶハリーちゃん
今日の和からだみなおし処は、介護保険について。
「いざという時のための制度」くらいの認識の方が多いかもしれません。
しかし、日々たくさんの患者さんの体に触れている院長には、
この制度が全く違って見えているようです。
ハリーちゃんと一緒に、介護保険の「本当の意味」を探っていこう!
第1章:介護保険とは何のための制度か
ハリーちゃん
ハリーちゃん
院長! 介護保険って、よく聞くけど、具体的にどんな制度なの?
院長
院長
介護保険とは、要介護状態になったときに、介護サービスを自己負担1割で利用できる社会保険制度なんだ。一定所得以上の人は2〜3割負担になるけどね。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
じゃあ、老後の生活費を補う制度ってこと?
院長
院長
それが違うんだ。これは「老後の生活費を補う制度」ではなく、「体が思うように動かなくなった後の生活を支える制度」なんだよ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
なるほど...体が動かなくなった後の制度なんだね。
院長
院長
そう。すでに日本では、要介護・要支援の認定を受けている人が約670万人もいるんだ。

介護保険の現状

約670万人
要介護・要支援の認定を受けている人
65歳以上の約5人に1人
何らかの介護を必要とする状態
ハリーちゃん
ハリーちゃん
5人に1人!? それって、すごく多いね...
院長
院長
そう。これはもはや「一部の人の話」ではないんだ。ほぼ誰もが通過する可能性のある人生の一段階なんだよ。
介護保険は、遠い未来の話ではない。
5人に1人という数字が示すのは、
それが「ほぼ誰もが経験する現実」だということ。
第2章:介護保険の本質は「体の機能低下の保険」
ハリーちゃん
ハリーちゃん
介護が必要になるのって、やっぱり年齢のせい?
院長
院長
いや、年齢ではないんだ。介護が必要になる理由は、「体の機能の低下」なんだよ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
体の機能の低下...具体的にはどういうこと?
院長
院長
例えば:
  • 歩けなくなる
  • 立ち上がれなくなる
  • 転びやすくなる
  • トイレや入浴が自分でできなくなる
こうした変化が積み重なった結果、介護状態になるんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
じゃあ、ある日突然そうなるわけじゃないんだね?
院長
院長
その通り! 鍼灸師として見ていると、要介護になる人の体は、突然そうなるわけじゃない。長いプロセスがあるんだ。

要介護になるまでの長いプロセス

📐 40代から → 姿勢が崩れ
🔄 50代で → 関節が硬くなり
💪 60代で → 筋力が落ち
⚖️ 70代で → バランスを失い
🚶 80代で → 日常動作が困難になる
ハリーちゃん
ハリーちゃん
わぁ...40代から始まってるんだ!
院長
院長
そう。この「長いプロセス」の先に、介護があるんだ。つまり介護保険とは、「体を使えなくなった後の社会的セーフティネット」なんだよ。
介護は突然やってくるものではない。
40代から始まる長いプロセスの先にある。
そう考えると、「今」何をするべきかが見えてくる。
第3章:介護保険は誰がどうやって支えているのか
ハリーちゃん
ハリーちゃん
介護保険って、誰が支えてるの?
院長
院長
介護保険は、40歳以上のすべての人が保険料を納めて支えているんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
40歳以上? じゃあ、若い人は関係ないの?
院長
院長
いや、関係ないわけじゃないよ。こういう仕組みなんだ:
  • 65歳以上: 保険料を払い、給付も受ける
  • 40〜64歳: 保険料を払い、将来の備えとする
ハリーちゃん
ハリーちゃん
財源はどうなってるの?
院長
院長
財源は、保険料が約50%、税金が約50%。国・都道府県・市町村も含めて、社会全体で介護を支える仕組みなんだ。

介護保険の財源

保険料(40歳以上が納付) → 約50%
税金(国・都道府県・市町村) → 約50%
社会全体で介護を支える仕組み
ハリーちゃん
ハリーちゃん
保険料って、これからも上がっていくの?
院長
院長
この保険料は今後も確実に上がる。なぜなら、介護が必要な人がこれからも増え続けるからなんだ。
介護保険は、みんなで支え合う制度。
そして、その負担は確実に増えていく。
だからこそ、「介護にならない体づくり」が重要になる。
第4章:鍼灸師の立場から見ると、ここが一番大事
院長
院長
私がこの制度を見ていて思うのは、介護保険がこれだけ巨大な制度になっているという事実は、「日本人は、体を失ってから支え合う社会」になっているということなんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
体を失ってから...それって、ちょっと悲しいね。
院長
院長
そう。でも本来、もっと大切なのは、「そもそも介護状態にならない体を、どれだけ長く維持できるか」なんだよ。

本当に大切なこと

そもそも介護状態にならない体を、
どれだけ長く維持できるか

ハリーちゃん
ハリーちゃん
つまり、介護保険は...?
院長
院長
介護保険は「転んでからの保険」「動けなくなってからの制度」であって、「転ばない体をつくる制度」ではないんだ。

❌ 介護保険

転んでからの保険

動けなくなってからの制度

体を失った後の支援

✅ 本当に必要なこと

転ばない体をつくる

動ける体を維持する

体を失わない予防

介護保険は、最後のセーフティネット。
でも、本当に大切なのは、
そのセーフティネットを使わずに済む体を作ること。
第5章:鍼灸・整体の役割はどこにあるのか
ハリーちゃん
ハリーちゃん
じゃあ、和からだみなおし処での鍼灸・整体の役割って何なの?
院長
院長
私たちが日々行っているのは、「痛みを取ること」ではなく:
  • 関節の動きを保ち
  • 筋肉のバランスを整え
  • 血流と神経の流れを守り
  • 体を"使える状態"で維持すること
なんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
体を"使える状態"で維持する...これって、介護予防ってこと?
院長
院長
その通り! これは、介護保険の対象になる前の段階をどれだけ引き延ばせるかという取り組みでもあるんだよ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
なるほど! じゃあ、鍼灸・整体は...
院長
院長
介護保険は「人生の後半の保険」だけど、鍼灸・整体は「人生の後半を自分の足で歩くための準備」なんだ。

鍼灸・整体の役割

人生の後半を自分の足で歩くための準備

介護保険は、体を失った後のセーフティネット。
鍼灸・整体は、体を失わないための投資。
この違いを理解することが、何より大切。
第6章:民間の介護保険について
ハリーちゃん
ハリーちゃん
ところで、民間の介護保険に入ったほうがいいって話もあるけど、どう思う?
院長
院長
よく聞かれる質問だね。制度の構造から見ると、介護は「めったに起きない事故」ではなく、多くの人が経験する現実なんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
ってことは...?
院長
院長
民間保険で完全にカバーしようとすると、どうしても割高になり、現実的ではないんだ。それよりも、こっちの方が大事だよ:
  • 体を動かす
  • 転ばない体を作る
  • 慢性的な不調を放置しない
  • 自分の体を理解する
ハリーちゃん
ハリーちゃん
つまり、保険よりも「身体資産」を積み上げることが大事ってこと?
院長
院長
その通り! こうした「身体資産」を積み上げることの方が、はるかにリターンの大きい備えになるんだよ。

本当の備え

保険に入るより、
「身体資産」を積み上げることが
はるかにリターンの大きい備えになる

お金で備えることも大切。
でも、体で備えることはもっと大切。
それが、本当の意味での「介護予防」。
終章:介護保険を知ることは「老後」ではなく「今」を考えること
院長
院長
介護保険は、遠い将来の話ではないんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
どういうこと?
院長
院長
今この瞬間の姿勢、歩き方、筋力、回復力の延長線上に、その人の10年後・20年後の体があるんだよ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
つまり、今の生活が、将来の体を決めるんだね!
院長
院長
そう。和からだみなおし処は、介護にならない体を目指す場所なんだ。
ハリーちゃん
ハリーちゃん
最後に、みんなに伝えたいことは?
院長
院長
介護保険という制度の意味を、ぜひ一度「体の視点」から見直してみてください。そうすれば、今何をすべきかが見えてくるはずです。
介護保険を知ることは、
遠い未来を考えることではない。

今この瞬間の姿勢、歩き方、筋力、回復力。
その延長線上に、あなたの10年後・20年後がある。

和からだみなおし処は、今日も
あなたの「介護にならない体づくり」を応援している。

さあ、今日から始めよう。
未来の自分への、最高の投資を。
※ この記事について
この記事は、介護保険制度について鍼灸師の視点から解説しています。個人差がありますので、健康や介護予防に関する具体的なお悩みは、専門家にご相談ください。