生理痛は「血流が悪いから」ではありません
──体の仕組みから考える、本当の原因と鍼灸・整体でできること
「生理痛は仕方がないもの」
「体質だから我慢するしかない」
こうした言葉を、これまで何度聞いてきたでしょうか。
確かに生理(月経)は、すべての女性に起こる自然な生理現象です。
しかし、生理のたびに強い痛みや不調が出て、日常生活に支障が出ている状態を「当たり前」として受け入れてしまう必要はありません。
和からだみなおし処では、生理痛を「体が悪いから起こるもの」ではなく、「体のバランスが崩れた結果として現れているサイン」と考えています。
まずは、生理痛がどのような仕組みで起こるのかを、体の設計から見直してみましょう。
生理痛とは何か
生理痛(医学的には月経痛・月経困難症)は、月経の前後や最中に起こる痛みや不調の総称です。
よくみられる症状
- 下腹部の痛み・張り
- 腰痛
- 頭痛
- 吐き気・下痢
- 強い倦怠感
- 気分の落ち込みやイライラ
これらは決して「子宮だけの問題」ではありません。
生理痛は、ホルモン・血流・自律神経・体の使い方が複雑に関わる、全身反応です。
生理痛には種類があります
機能性月経困難症
- 検査では明らかな病変が見つからない
- 思春期〜若年層に多い
- 生活習慣や体の状態が強く影響
器質性月経困難症
- 子宮内膜症、子宮筋腫などが関与
- 年齢とともに増えやすい
- 医療機関での検査・診断が必要
和からだみなおし処では、医療を否定せず、必要な検査を受けた上で、体全体を整える役割を担うという立場を大切にしています。
生理のとき、体の中では何が起きているのか
ここが、生理痛を理解する上で最も重要なポイントです。
生理とは、単に「血が出る現象」ではありません。
妊娠に備えて厚くなった子宮内膜を剥がし、体外へ排出するために、子宮は意図的に収縮します。
この収縮を起こすために分泌されるのが、プロスタグランジンという物質です。
つまり生理とは
- 子宮を収縮させる
- 一時的に血流を絞る
- 内膜を剥がす
という、生体にとって必要なプロセスなのです。
ここで重要なのは、
生理のときに血流が一時的に下がるのは
異常ではなく、むしろ正常な反応である
という事実です。
では、なぜ痛む人と痛まない人がいるのか
問題は、「血流が下がること」そのものではありません。
本当の問題は、下がった血流を"元に戻せない体の状態"が続くことです。
生理痛が強い人に共通しやすい状態
- 骨盤内の血流がもともと滞りやすい
- 自律神経が交感神経優位になりやすい
- 冷えが強い
- 骨盤・股関節・腹部の動きが硬い
- 呼吸が浅い
こうした状態では、
↓ 血流が下がる
↓ 本来なら回復フェーズに入る
↓ しかし回復できない
↓ 虚血状態が長引く
↓ 痛みとして強く感じる
という流れが起こります。
生理痛は、「血流が悪いから起こる」のではなく、「血流を回復できない体の状態が続くことで起こる」と考えると、非常に理解しやすくなります。
「血流を上げる」は本質的に正しいのか?
生理痛対策としてよく聞くのが、「血流を良くしましょう」という言葉です。
方向性としては間違っていません。
ただし、無条件に血流を上げればよいわけではありません。
注意が必要なケース
- 無理に強く温める
- 強い刺激のマッサージ
- 体調を無視した激しい運動
これらは、子宮が収縮しようとしているタイミングに逆らい、かえって痛みを強めることがあります。
和からだみなおし処が考える血流の捉え方
血流は「無理に上げるもの」ではなく、「必要なときに自然に戻れる体をつくるもの」です。
- 血管が開いたり閉じたりできる
- 自律神経が切り替わる
- 体が動ける
この状態が整っていれば、生理というイベントは、過度な痛みを伴わずに進みます。
鍼灸でできること
鍼灸は、生理痛に対して「血を増やす治療」ではありません。
鍼灸が行っていること
- 交感神経の過剰な緊張を下げる
- 血管の緊張を緩める
- 子宮・骨盤周囲の循環を妨げている要因を減らす
結果として、体が自分で血流を回復できる状態がつくられていきます。
整体でできること
整体では、構造と動きに注目します。
主なポイント
- 骨盤・股関節・腰の可動性
- 内臓の動きを妨げている緊張
- 呼吸のしやすさ
骨盤は「固定するもの」ではなく、本来は呼吸や動きに合わせて微細に動く構造です。
動ける体は、巡れる体。
整体は、循環の通り道を整える役割を担います。
鍼灸と整体を組み合わせる意味
- 鍼灸: 内側(神経・血流・ホルモン環境)
- 整体: 外側(構造・動き・姿勢)
この両方を整えることで、生理という生理現象を問題なく乗り切れる体を目指します。
日常生活で見直したいポイント
生理痛は、施術だけで完結するものではありません。
- 冷えやすい環境になっていないか
- 呼吸が浅くなっていないか
- 動かなさすぎ、または無理をしすぎていないか
- 睡眠リズムが乱れていないか
「○○をすれば治る」という単純な話ではなく、体全体のバランスの積み重ねが大切です。
生理痛は「体を見直すサイン」
生理痛は、敵ではありません。
体が「今の状態では少し無理をしている」と教えてくれているサインです。
和からだみなおし処では、生理痛を抑え込むことを目的にするのではなく、生理という自然な現象を、無理なく乗り越えられる体づくりを大切にしています。
痛みがあることが当たり前になっている方こそ、一度、体全体を見直すきっかけにしてみてください。