この資料は、日本国内における美容鍼灸の研究論文をレビューし、その現状と課題、今後の展望について考察した研究です。美容鍼灸とは、顔面や体に鍼や灸を施すことで健康や美容効果を得る施術方法であり、近年、一般消費者の間での認知度や需要が高まっています。
研究の概要:
- 目的: 日本国内で行われた美容鍼灸に関する研究の現状を把握し、今後の課題と展望を明らかにすること。
- 方法: 医中誌Webを使用して、2020年12月31日までの美容鍼灸に関する研究論文を検索し、合計44件の論文を対象にレビューを行いました。組み入れ基準は原著論文であり、効果を評価したものが対象とされました。
主な結果:
- 2007年以降、美容鍼灸に関する論文の出版数が増加していますが、査読付きの学術雑誌に掲載された論文は少なく、信頼性に課題があると指摘されています。
- 美容鍼灸の目的として最も多かったのは「美顔」であり、特にリフトアップ効果が期待されています。
- 鍼刺激の方法や灸の種類など、介入方法は多岐にわたっており、顔面部だけでなく全身に施術が行われることが多いことがわかりました。
- 効果の評価方法としては、主観的評価が多く用いられており、科学的かつ客観的な評価が今後の課題とされています。
結論: 美容鍼灸に関する国内の研究は増加傾向にありますが、今後は信頼性の高いエビデンスを構築するために、より科学的な研究デザインが必要とされています。また、美容鍼灸が顔面だけでなく全身の健康に寄与することを示すためには、全身の健康状態を考慮した研究が求められています。
引用元URL
https://www.jstage.jst.go.jp/article/imj/15/1/15_26/_article/-char/ja/
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