ストレッチは、柔軟性の向上や関節可動域の維持に効果的な手段として、広く知られています。しかし、どれくらいの時間ストレッチを行えば効果的なのかについては、意外と議論が分かれています。30秒?それとも60秒?今回は、ストレッチの持続時間が柔軟性にどのような影響を与えるのかを検証した最新の研究結果をご紹介します。
研究の概要
この研究では、スタティックストレッチング(SS)が柔軟性に与える効果を評価するため、メタ解析が行われました。対象となるのは、健常な成人に対する無作為化比較試験です。研究では、30秒間のストレッチと60秒間のストレッチが、どちらも柔軟性を向上させるかを比較しました。さらに、異なる持続時間の効果の差があるかも検証しました。
研究結果
結果として、30秒間のストレッチと60秒間のストレッチは、いずれも対照群に比べて有意に柔軟性を改善することが明らかになりました。膝の伸展角度において、どちらのグループも同等の改善効果が見られ、柔軟性向上においてはどちらの時間でも十分な効果が得られることが示されました。つまり、ストレッチを60秒行う場合も、30秒で効果はほぼ同じだったということです。
考察: なぜ30秒でも十分な効果があるのか?
この研究では、30秒間と60秒間のストレッチで効果に差がなかった理由として、筋肉の粘弾性の変化が関与していると考えられます。先行研究によると、ストレッチを開始した後、筋肉の粘弾性は時間とともに低下しますが、その変化には限界があるとされています。この限界により、30秒間でも十分な効果が得られ、60秒間行っても追加の効果が得られない可能性が示唆されています。
まとめ: 30秒のストレッチでも効果的!
今回の研究結果は、ストレッチの持続時間が30秒でも60秒でも、柔軟性向上において同等の効果が得られることを示しています。無理に長時間ストレッチを行う必要はなく、短時間でも効果的に柔軟性を向上させることができます。日常生活やトレーニングにおいて、短時間のストレッチを継続的に取り入れることが、効率的な柔軟性向上につながるでしょう。
要約した論文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyushupt/2022/0/2022_62/_pdf/-char/ja
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