— 疲れやすさ・だるさを防ぐために知っておきたいこと —**
「炭水化物は太る」「なるべく減らしたほうがいい」
そんなイメージが広まり、炭水化物を極端に避ける方が増えています。
しかし実際には、
炭水化物は脳・筋肉のエネルギー源であり、健康に欠かせない栄養素です。
当院に来られる患者さんを拝見していると、
「炭水化物を食べすぎている方」と同じくらい、
「炭水化物が不足してしまっている方」も多い印象があります。
大切なのは、
“炭水化物そのものを減らす” ことではなく、
“どう食べるか・いつ食べるか” を整えること。
ここでは、健康づくりのために知っておきたい
炭水化物の基礎知識と、日常生活での上手な取り入れ方をまとめます。
🟧 1. 炭水化物とは?(糖質+食物繊維)
炭水化物は大きく分けると次の2つで構成されています。
- 糖質:エネルギー源
- 食物繊維:腸内環境を整える成分
主な食品としては、
ごはん・パン・麺・いも類・果物などがあります。
「糖質=悪いもの」ではなく、
体を動かすための大切なガソリンです。
🟧 2. 炭水化物が足りないと起きやすい不調
当院でお話を伺っていると、
“炭水化物を控えすぎている” ことで調子を崩している方も少なくありません。
炭水化物不足によって起こりやすい症状は次の通りです。
- 集中できない
- 頭がボーッとする
- めまい・ふらつき
- 冷え
- イライラ
- 疲労感
- 甘いものへの強い欲求
- 筋肉量の低下(筋分解)
特に、
朝食を抜いている方・昼食が炭水化物だけの方に多く見られます。
エネルギーが足りない状態が続くと、
痛み・姿勢の崩れ・慢性疲労にもつながりやすくなるため注意が必要です。
🟧 3. 炭水化物を摂りすぎると起こる問題
一方で、炭水化物を“食べすぎてしまっている”場合もあります。
- 食後の眠気
- だるさ
- 血糖値スパイク(血糖値が急上昇・急下降)
- 夜の過食
- 甘い飲み物・お菓子の習慣
- 体脂肪の増加
- 炎症が強まり痛みが長引く
- 頭痛・イライラ
患者さんから伺う中で多いのは、
- 昼食が「うどん・ラーメン・パンだけ」
- 甘いお菓子・飲み物が習慣化
- 夜遅い時間の“どか食い”
といったパターンです。
これらは 血糖値が乱れやすい典型例 で、
疲れやすさ・眠気・回復しづらさにつながっていきます。
🟧 4. “量” よりも “食べ方” が大切
炭水化物の良し悪しを決めるのは
「量」そのものではありません。
実際に体調を大きく左右するのは、
- いつ食べるか(タイミング)
- 何と一緒に食べるか(組み合わせ)
- どのように食べるか(順番)
の3つです。
特に重要なのは次のポイントです。
🟧 5. 食べる順番は「野菜 → タンパク質 → 炭水化物」
GI値の高い・低いよりも、
食べる順番を変えるほうが実生活では効果が大きい といわれています。
食事のはじめに
- 野菜
- タンパク質(肉・魚・卵・豆)
を入れることで、血糖値の上昇がゆるやかになります。
その結果、
- 食後の眠気が減る
- 疲れにくくなる
- 甘いものへの欲求が減る
- 痛みや炎症の悪化を防げる
といったメリットがあります。
🟧 6. 主食(ごはん・麺・パン)の選び方
■ ごはん(白米)
- 消化が良い
- 血糖値が安定しやすい
- 高齢者にも合う
■ 玄米(矢上院長自身も実践)
- 食物繊維・ビタミンが豊富
- 腸内環境に良い
- ただし胃腸が弱い方には合わない場合あり
- 「白米でも十分」「玄米の良さも知っておいてほしい」程度が適切
■ パン
- 血糖値スパイクが起きやすい
- 特に食パン・菓子パンは急激に血糖値が上がりやすい
■ 麺類
- 喉ごしが良く食べ過ぎやすい
- 「麺+おにぎり」の組み合わせは血糖値が急上昇しやすい
🟧 7. 間食は“質”が大切 — プロテインの活用
甘いお菓子ではなく、
たんぱく質を補える間食が体調を整えてくれます。
実際、院長自身は
- 15時にホエイプロテインを間食として摂取
- → 夜遅い夕食までの血糖値を安定させるため
という工夫を行っています。
これは
疲れ・だるさ・過食の防止にとても有効 です。
🟧 8. コラム:16時間ダイエットとオートファジーについて
最近話題の「16時間ダイエット」。
ここではよく質問を受けるため、簡単に触れておきます。
オートファジー(細胞の“掃除”機能)は
断続的な断食によって高まると言われています。
ただし、治療院として大切なのは、
・高齢者
・筋力が落ちやすい方
・痛みや疲れを抱えている方
には、長期的な断食はおすすめできないという点です。
理由は
- 筋肉量の低下
- 代謝の低下
- どか食いによる血糖値スパイク
- 体調の不安定さ
が起こりやすいためです。
胃腸を休める意味で「短期的に取り入れる」のは良いですが、
毎日の健康づくりには
3食+必要に応じて間食(プロテイン)
の方が体が整いやすくなります。
🟧 9. まとめ:炭水化物は“悪者”ではなく、体の大切なエネルギー
- 炭水化物は健康のために必要
- 不足しても、摂りすぎても体調を崩す
- 大切なのは「タイミング・組み合わせ・順番」
- 朝食・昼食・間食を整えることで体が安定する
- 無理な糖質制限よりも、暮らしに合う食べ方を
体調に合わせた食事の調整は、
施術と並行することでより良い変化が出やすくなります。
気になる方は、施術時にお気軽にご相談ください。


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