— 避けるものと摂るべきものを見分ける —
「油は太る」「なるべく控えたほうがいい」
そんなイメージが強いかもしれません。
しかし実際には、
脂質は ホルモン、脳、細胞膜の材料となる重要な栄養素 であり、
不足しても摂りすぎても体調を崩しやすくなる“バランスが大事な栄養” です。
当院でお話を伺っていると、
油を控えすぎて肌・髪が乾燥したり、疲れやすくなっている方もいれば、
逆に、気づかないうちに「悪い油」を摂りすぎて体調を崩している方も少なくありません。
ここでは、脂質の正しい理解と、日常生活での上手な選び方をまとめます。
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🟧 1. 脂質は“太るもの”ではなく、体の材料です
脂質は次のような重要な働きを担っています。
- ホルモンの材料
(生理の乱れ・更年期症状にも関係) - 脳の構成成分(脳の60%は脂質)
- 細胞膜の材料(肌・内臓・免疫)
- エネルギー源(持久力)
つまり、脂質は“悪いもの”ではありません。
質の悪い脂質を摂りすぎると体調を崩すのであって、
良い脂質を適量摂ることはむしろ健康に欠かせません。
🟧 2. 脂質には3つの種類があります
■ ① 良い脂質(からだが喜ぶ油)
不飽和脂肪酸(オメガ3/オメガ9)
- オリーブオイル
- アマニ油
- えごま油
- 青魚(サバ・イワシ・サンマ)
- ナッツ
これらは 炎症を抑える・血管を守る・脳の働きを助ける 優秀な脂質です。
当院の患者さんを見ていても、ここが不足しがちです。
■ ② まあまあな脂質(適量ならOK)
飽和脂肪酸
- 肉の脂
- チーズ
- バター
- 卵
摂りすぎると体脂肪になりやすいですが、
体に必要な脂質でもあります。
「適量を守る」これで充分です。
■ ③ 避けたい脂質(体調を崩しやすい油)
トランス脂肪酸/酸化した油
- 菓子パン
- ショートニング・マーガリン
- スナック菓子
- ファストフード
- 古い揚げ油
- コーヒーフレッシュ(=油+添加物)
これらは 体の炎症を強め、痛みを長引かせる原因 になります。
慢性的な肩こり・腰痛・関節痛が改善しにくい人は、
「悪い油」が影響している場合もあります。
🟧 3. 悪い油が“痛み・疲れ”を悪化させる理由
- 細胞膜が硬くなる → 回復しにくい
- 血管が炎症を起こしやすくなる → 血流低下
- 血糖値スパイクと組み合わさると炎症が増幅
- ホルモンバランスも乱れやすくなる
当院でも、油の見直しで体調が安定しやすくなる方は少なくありません。
🟧 4. 一日に必要な脂質量の目安
- 男性:50〜70g
- 女性:40〜60g
「油を完全に抜く」「脂分ゼロの生活」はNG。
肌・脳・ホルモンは、脂質がなければ正常に働けません。
🟧 5. 毎日の食事で“良い油”を取り入れるコツ
✔ 1日にこれくらいでOK
- オリーブオイル 大さじ1
- アマニ油 or えごま油 小さじ1
- 青魚を週2〜3回
- ナッツを少量
✔ 避けたい油の例
- 菓子パン
- フライドポテト
- スナック菓子
- マーガリン
- 酸化した揚げ油
“減らす”ではなく、“入れ替える”感覚が大切です。
🟧 6. 調理油の賢い使い方
- 揚げるより“蒸す・茹でる・鍋”料理
- サラダに“良い油”をひとかけ
- 低温調理・煮込みもおすすめ
- オリーブオイルは火にかけても比較的安定
- アマニ油・えごま油は 火にかけない使い方が基本
油にも“向き・不向きの温度”があるため、
調理方法とセットで考えると効果的です。
🟧 7. 脂質が不足している人のサイン
当院で多い例としては、
- 肌が乾燥している
- 髪がパサつく
- 疲れやすい
- 集中力が続かない
- 便秘
- ホルモンの乱れ(男性も女性も)
- メンタルの不安定さ
「油=悪者」と思い込んで極端に控えている人に多い症状です。
🟧 8. ダイエットと脂質の誤解
「油を抜けば痩せる」というのは誤解です。
実際に体脂肪を増やすのは
“糖質×脂質×食べ方の乱れ” の組み合わせ。
良い油を適量摂ると満足感が上がり、
かえって過食が減るケースもあります。
“抜く”ダイエットより
“見直す”ダイエットの方が健康的で続きやすいです。
🟧 9. まとめ:脂質は“質と使い方”で体調が変わる
- 良い脂質はからだの味方
- 避けるべきは「悪い油」
- ホルモン・脳・細胞膜は脂質から作られる
- 脂質不足も体調不良の原因になる
- 毎日の食事で“良い油へ入れ替えていく”ことが大切
体調に合った食事の調整も、施術と並行することで成果が出やすくなります。
気になる方は、施術の際にお気軽にご相談ください。
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