好転反応と揉み返しの違いとは? | 和からだみなおし処

好転反応と揉み返しの違いとは?

― 和からだみなおし処が大切にしている「症状ではなく機能を見る」という視点 ―

好転反応と揉み返しの違い

はじめに

施術をしているといただくご質問の中で、特に多いものがあります。
「これは好転反応ですか? それとも揉み返しですか?」

初めての施術後であればなおさら、
身体に起きる変化が"良いのか悪いのか"判断できず、不安になるものです。

しかし実は、この現象にはきちんとした理由と背景があり、
正しく理解することで施術効果をより安心して受け取ることができます。

この記事では、次のことをお伝えします:

  • 好転反応とは何か
  • 揉み返しとは何か
  • 当院がどう考え、どう施術しているのか
  • 翌日の症状変動はなぜ起きるのか
  • 最も大切な「機能を見る」という考え方

信頼できる情報ソースと、私自身の臨床経験の両方を踏まえてお伝えします。

1. 好転反応とは?

「好転反応」という言葉自体は、医学的な正式名称ではありません。
しかし、施術後に一時的に症状が変動するという事実は公的な機関でも触れられています。

厚生労働省 × 国立長寿医療研究センターが運営する
統合医療情報発信サイト eJIM では、鍼灸の副作用として次のように書かれています。

「鍼治療の後に、一時的に症状が変動することがある。」
(統合医療情報発信サイト eJIM)

つまり、
身体が変化するプロセスで一時的な揺れが出るのは、自然な反応のひとつ
ということです。

よくある例は、

  • だるさ
  • 眠気
  • 重さ
  • 一時的な痛みの増減
  • 排泄の変化

などで、これはむしろ身体が"回復モード"に入ったサインとも言えます。

では、これと揉み返しはどう違うのでしょうか?

2. 揉み返しとは?

揉み返しは、強い刺激や不適切な圧によって筋肉や筋膜に微細な損傷が起こり、
その修復過程で痛みや腫れが生じる現象です。

こちらは 医学的にも説明できる反応 です。

日本整形外科学会(JOA)で説明される筋損傷の仕組みや、
筋肉痛(DOMS)に関する PubMed の数多くの研究とも一致します。

▼参考
日本整形外科学会(JOA)
PubMed(DOMS)

特徴を整理すると、

  • 押された部位に限局した痛みが出る
  • 刺激量に比例しやすい
  • 筋肉や軟部組織の炎症反応で説明できる

という点であり、好転反応とは性質が異なります。

3. 施術は「刺激」であるという前提

鍼灸・整体は"やさしい"印象を持たれがちですが、本質は 刺激 です。

とくに鍼や灸は、

  • あえて微細な傷をつける
  • それに対して身体が修復反応を起こす
  • 自然治癒力が高まる

という仕組みで成り立っています。

そのため、
身体が刺激を受け取り、変化する過程で何らかの反応が出るのはむしろ当然
と言えます。

ただし、反応の大きさや出方には非常に個人差があります。

4. 刺激量は慎重にコントロールしています

特に初回施術は、刺激に対する反応がまだ読めません。

  • 刺激に強い方
  • 痛みに敏感な方
  • 自律神経が反応しやすい方
  • 疲労が蓄積している方

人によって本当に違います。

そのため私は、
初回の刺激量は必要最小限にする
という方針で施術を行っています。

翌日に強い反応が出ないように最大限配慮しますが、
どれだけ経験を積んでも 反応がゼロになる施術 は存在しません。

ここは施術家として誠実にお伝えしたい部分です。

5. 翌日に症状が増す理由

翌日、痛みや重さが強く感じられることがあります。
これは悪化とは限らず、身体が変化しているサインであることも多いのですが、
臨床的に特に多いのは次の3つです。

① 刺激に対する"自然な反応"(=好転反応に近い)

施術により血流や神経の働きが変化すると、
身体が再調整のモードに入り、翌日に反応が出ることがあります。

これは、いわゆる 好転反応に最も近い反応 です。

  • だるさ
  • 軽い痛み
  • 重さ
  • 心地よい眠気

などは、身体が"働き始めたサイン"とも捉えられます。

② 症状が軽くなり"動きすぎた"ことによる筋肉痛

これは非常に多いケースです。

痛みがある期間、患者さまは無意識のうちに痛い部分を避けて生活しています。
つまり、

✔ 使えていない筋肉(=機能が落ちている筋肉)がたくさんある

という状態です。

施術を受けて痛みが軽減すると、
「動ける!」という感覚が出やすく、
つい以前より多く動かしてしまいます。

すると、弱った筋肉が急に働かされ、
筋肉痛に近い反応が出る ことがあります。

これを防ぐため、私は施術後に必ず

「今日は動かしすぎないでください」
「体が安定する時間が必要です」

とお伝えしています。

③ 一番強い痛みが消え、"次の痛み"が現れる

身体は 痛みの強い順に感じる特性 があります。

そのため、
"もっとも強い痛み"が改善すると、
今まで隠れていた二番目、三番目の痛みに気づくことがよくあります。

  • 腰が楽になったら今度は首が気になる
  • 肩の痛みが引いたら背中の張りを感じる

これは悪化ではなく、
本来あった症状に順番に気づいているだけ
というケースが多いです。

6. 和からだみなおし処は「説明とフォロー」を治療の一部と考えます

反応が出る可能性があるからこそ、
私は 事前の説明と術後のフォロー を重視しています。

  • どんな反応が起こる可能性があるか
  • どこまでが正常範囲なのか
  • 翌日はどう過ごせばいいか
  • 不安な場合はすぐ連絡して良いこと

これらを丁寧にお伝えすることで、
患者さまは安心して身体の変化を受け止めることができます。

7. 最も大切な視点:症状ではなく「機能」で判断する

機能で判断する施術

この記事の核心です。

多くの方が

  • 痛みがある=悪い
  • 痛みがない=良い

と考えがちですが、これは本質ではありません。

痛みはあくまで 結果 であり、
その奥にある原因は、

  • 姿勢
  • 関節の動き
  • 神経の働き
  • 筋肉の使い方
  • 動作の癖

といった 身体の"機能"そのもの です。

✔ 一時的な症状の変化は"揺れ"にすぎない
✔ 本当に見るべきは"身体が良い方向へ向かっているか"どうか

そのため当院では、
1回ごとの症状ではなく、1ヶ月単位の検査で、
身体の機能がどう変わっているかを評価 しています。

これが再発しにくい身体づくりのための本質的な視点です。

まとめ

  • 好転反応は医学用語ではないが、一時的な変動は自然な反応(eJIM
  • 揉み返しは筋損傷による炎症反応として説明可能(JOAPubMed
  • 鍼灸は"刺激"であり、反応には個人差が大きい
  • 初回は刺激量を最小限に調整
  • 翌日の症状変動には ①自然反応 ②動かしすぎ ③痛みの優先度
  • 当院は丁寧な説明とフォローを重視
  • 症状よりも"身体の機能改善"こそが本質

■ 最後に

施術とは、身体にそっとスイッチを入れるようなものです。
その瞬間、身体が動き始めるからこそ、揺れが出ることもあります。

しかし大切なのは「揺れそのもの」ではなく、
身体がどちらの方向へ向かっているのか ということ。

和からだみなおし処は、
科学的根拠と臨床経験をもとに、
あなたの身体の"機能改善"を最優先にサポートいたします。

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