血球系検査
白血球数(WBC) 7.8
白血球は細菌などから体を守る働きをしています。
- 数値が高い場合・・・細菌感染症にかかっているか、炎症、腫瘍の存在が疑われますが、どこの部位で発生しているかはわかりません。たばこを吸っている人は高値となります。
- 少ない場合・・・ウィルス感染症、薬物アレルギー、再生不良性貧血などが疑われます。
赤血球数(RBC) 473
赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。
- 赤血球の数が多すぎれば・・・多血症
- 少なすぎれば・・・貧血が疑われます
ヘモグロビン(血色素)(Hb)14.3
血色素とは赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たします。
- 減少している場合・・・鉄欠乏性貧血などが考えられます。
ヘマトクリット(Ht)43.2
血液全体に占める赤血球の割合をヘマトクリットといいます。
- 高ければ・・・多血症、脱水などが考えられます。
- 低ければ・・・鉄欠乏性貧血などが疑われる。
血小板数(PLT) 37.0
血小板は、出血したとき、その部分に粘着して出血を止める役割を果たしています。
- 数値が高い場合・・・血小板血症、鉄欠乏性貧血などが疑われる。
- 低い場合・・・再生不良性貧血などの骨髄での生産の低下、特発性血小板減少性紫斑病などの体の組織での亢進、肝硬変などの脾臓でのプーリングが考えられます。
肝臓系検査
総蛋白 7.2
血液中の総たんぱくの量を表します。
- 高い場合・・・多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水などが疑われます。
- 数値が低い場合・・・栄養障害、ネフローゼ症候群、がんなどが疑われる。
アルブミン 4.3
血液蛋白のうちで最も多く含まれるのがアルブミンです。
アルブミンは肝臓で合成されます。
- 数値が低い・・・肝臓障害、栄養不足、ネフローゼ症候群など
総ビリルビン 1.0
血液検査の総ビリルビンは肝臓や胆道に異常がないかを調べるための指標
AST(GOT) 40
AST(GOTともいう)は、心臓、筋肉、肝臓に多く存在する酵素
- 数値が高い場合・・・急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などが疑われます
ALT(GPT) 27
ALT(GPTともいう)は肝臓に多く存在する酵素
- 数値が高い場合・・・急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などが疑われます
LD(IFCC) 208
LD(LDH)とは、肝臓をはじめ、心臓、腎臓、赤血球などのからだのさまざまな場所でつくられる酵素で、肝臓では通常肝細胞に多く存在し、糖質をエネルギーに変える働きをしています。
ALP(IFCC) 72
ほとんどの臓器や組織に含まれる酵素です。肝臓、小腸、胎盤、骨などに多くふくまれ、これらに異常が生じると数値が高くなります。
γ-GT 19
γ-GT(ガンマ・グルタミール・トランスペプチターゼ)も、腎臓や肝臓に多く存在する酵素です。この酵素はアルコールに敏感に反応するため、アルコール性の肝機能障害の判定に重要視されています。
CK 1039
“CK(CPK)”とは筋肉細胞にもっとも多く含まれている酵素の一種です。
尿素窒素 16.2
腎臓が十分働いているかどうかを調べる検査です。尿素窒素とは、血液のなかの尿素に含まれる窒素成分のことで、蛋白質が利用された後にできる残りかすです。通常は腎臓でろ過されて尿中へ排出されますが、腎臓の働きが低下すると、ろ過しきれない分が血液のなかに残ります。つまり、尿素窒素の数値が高くなるほど、腎臓の機能が低下していることを表しています
クレアチニン 0.93
クレアチニン(Cr)はクレアチンリン酸という筋肉が運動するための重要なエネルギー源 物質が代謝されたあとにできる老廃物です
- 高値:糸球体腎炎、腎機能障害
- 低値:筋ジストロフィー 等
尿酸 5.9
尿酸とは、肝臓で生成される代謝物の1つです。
食べ物由来の外因性プリン体と、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)等の核酸の分解で出来た内因性プリン体が原料です。
プリン体と聞くと悪役のイメージがある方が多いと思われますが、実は、あらゆる生物の細胞の中に含まれている物質でもあります。細胞内の核酸の主成分であり、生命維持には不可欠な物質の1つなのです。
また最近の研究では、尿酸自体に、さまざまな疾患をもたらす元凶である酸化ストレスから、我々の体を守ってくれる作用があることも分かっています。
ナトリウム 140
水分調整や浸透圧に関わり、バランスが大きく崩れると意識障害を引き起こすことがあります。
脱水などで高い値となります。
クロール 102
ナトリウムと共に水分保持や浸透圧調整に必要な電解質です。
カリウム 4.2
カリウムは、体内に存在する量がもっとも多いミネラルです。細胞の浸透圧(※)を維持調整する働きがあるため、生命維持活動の上で欠かせない役割を担っています。また、体に含まれている余計な塩分を体の外に出す効果があることから、血圧を下げる代表的な栄養素といわれています。
腎臓の働きが低下するとカリウム制限が取り上げられますが、カリウム自体が腎臓に悪影響を及ぼすわけではありません。腎臓に障害があると、カリウムを十分に尿に排泄することができずに、体内に蓄積してしまいます。血中のカリウム濃度が上がってしまうと危険な不整脈が起きたり心臓が止まって突然死することもあります。
このようなリスクを回避するために、血液中のカリウム濃度が正常範囲内であるようにカリウム摂取を制限する必要があるのです。
血清鉄 141
血清鉄は血清中の鉄量をそのまま測定したものであり、体内の鉄動態を反映します。女性は月経があるため、血清鉄は男性よりも低値です。血清鉄は鉄欠乏や鉄過剰を疑うときに測定されますが、必ずしも体内の鉄量を反映するとは限りません。本当に鉄欠乏であるかどうかは、貯蔵鉄の指標であるフェリチンなど、他の検査項目を確認した上で判断することが多いです。
総コレステロール 166
血液中を流れるコレステロールの量を調べます。ホルモンや細胞膜をつくるうえで大切なものですが、増えすぎると動脈硬化を進め、心筋梗塞などにつながります。
動脈硬化や心臓病など循環器障害の診断や経過観察のために必要な検査です
HDLコレステロール 46
善玉コレステロールと呼ばれるものです。血液中の悪玉コレステロールを回収します。少ないと、動脈硬化の危険性が高くなります。
数値が低いと、脂質代謝異常、動脈硬化が疑われます。
LDLコレステロール 104
悪玉コレステロールとよばれるものです。
LDLコレステロールが多すぎると血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性を高めます。
中性脂肪(TG)(トリグリセリド)
体内の中でもっとも多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。
数値が高いと動脈硬化を進行させます。
低いと、低βリポたんぱく血症、低栄養などが疑われます。
血糖値(FPG) 91
糖とは血液中のブドウ糖のことで、エネルギー源として全身に利用されます。
測定された数値により、ブドウ糖がエネルギー源として適切に利用されているかがわかります。
数値が高い場合は、糖尿病、膵臓癌、ホルモン異常が疑われます。
HbA1c(NGSP) 5.6
HbA1c(ヘモグロビン・エーワン・シー)は、過去1~2ヶ月の血糖の平均的な状態を反映するため、糖尿病のコントロールの状態がわかります。
また、空腹時血糖(FPG)が126mg/dL以上かつHbA1c 6.5%以上なら糖尿病と判断します。
CRP(定量) 0.19
細菌・ウィルスに感染する、がんなどにより組織の傷害がおきる、免疫反応障害などで炎症が発生したときなどに血液中に増加する急性反応物質の1つがCRPです。細菌・ウィルス感染、炎症、がんはないかを調べます。
食塩摂取量 5.0
日本では塩分の摂取がまだ多く,一般の人の食塩摂取量について,男性は1日7.5g未満,女性は6.5g未満とされていますが,欧米のいくつかの国では,一般の人にも6g未満を推奨しています。 また,世界保健機関(WHO)も,すべての成人の減塩目標を5gにしました。
UIBC 164
正常人の場合はトランスフェリンの約1/3が鉄と結合し,残りは未結合の形で存在する。血清中のすべてのトランスフェリンと結合できる鉄の総量を総鉄結合能(TIBC)といい,不飽和(未結合)のトランスフェリンと結合しうる鉄量を不飽和鉄結合能(UIBC)という。つまりTIBC=UIBC+血清鉄の関係になる。
総鉄結合能は鉄代謝に異常をきたす疾患や病態の変化を特に反映するので,その測定は血清鉄の測定とあわせて血液疾患,肝臓疾患,腫瘍性疾患,炎症などの診断,治療方針決定や予後判定に有用である。
NT-Pro BNP 8.1
BNPの正式名称は「脳性(B型)ナトリウム利尿ペプチド」、つまり最初は脳で発見されたホルモンなのですが、現在は壁の進展や圧上昇などのストレスによって心臓(心室)から分泌されるホルモンとして知られています。BNPはそのものが血管を拡げ、尿の排出を促す作用を持っており、心臓へのストレスを和らげる生理作用を持っています。したがって、その値の上昇は「心臓に負担がかかっている」状況を鋭敏に反映しており、「心不全」を診断する上で有用な指標になっています。施設によってはBNPの代わりにNT-proBNPが測定されます。両者は同じ指標として使われますが、基準値が大きく異なることに注意してください。血液中のBNPが100pg/mL以上 (NT-proBNPでは400 pg/mL以上)が心不全の診断の基準値です。
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